淋病とは

淋病は淋菌が原因で発症する性病でクラミジアに次いで感染者の多い性病となっています。おそらくクラミジアよりも知名度でいえば上かもしれません。

感染者数は8:2の割合で圧倒的に男性の方が多くなっています。これだけ聞くと“男性に多い性感染症”と思うかもしれませんが、決してそういう訳ではありません。実は女性の約80%は自覚症状がないため、感染していることに気がつかないことが多いようです。つまり女性は医療機関を受診しない方が多いので数字的に男性の方が患者数が多いというだけです。そのため、女性だから感染しにくいと思ってはいけません。

空気感染等はしませんし、キスだけではほとんど感染しない性感染症です。ですが、性行為による感染力は高く、感染力は約30%と言われています。つまり淋病のパートナーと性交したら、3~4人に1人、もしくは3~4回の性交で感染してしまうことになります。また同時に性器クラミジアにも感染していることが多いようです。

症状としては、男性の場合は尿道に感染しやすいため尿道炎を発症することが多いです。それによりオシッコの際に激しい痛みが伴う事があります。たいていはこれで病院に行く方が多いので感染が判明します。ただ、人によってはその自覚症状が弱い方もいます。

一方、女性の場合はおりものが増える程度で男性のように痛みが伴う事もありません。そのため、ちょっと異変を感じても病院に行かない方が多いです。それにより感染が拡大してしまう危険性があります。

女性の場合、おりものが増える程度ですから感染していても気にしないという方もいるかもしれません。ですが、放置していると骨盤内炎症性疾患を引き起こしてしまう事もありますし、それにより不妊症や子宮外妊娠を引き起こすリスクが高くなってしまうと言われています。また、女性に限ったことではなく淋病に感染しているとエイズにも感染しやすくなると言われており、命の危険にさらされる恐れもあります。

そして妊婦は特に注意が必要です。淋病に感染していると、出産時に赤ちゃんが淋病に感染してしまう危険性があります。赤ちゃんが感染すると血液や関節に感染してしまうこともありますし、失明してしまうこともあります。妊娠して産婦人科に通っていればたいていは検査をおこなうのでその心配は少ないですが、最近では諸事情により産婦人科に通わない方もいますから、そういった方は特に注意が必要です。

ただ淋病は適切な抗生物質の服用による治療で約1~2週間で完治できます。もし、怪しいと思ったらすぐに病院に行ってみるといいでしょう。性病だとなかなか行きづらいこともありますが、大切なパートナーや今後生まれてくる子供のためにもしっかり治療しましょう。